乱読大魔王による、『We』がらみのアレコレ 

紙芝居劇むすびの公演@リバティおおさか(5/19、大阪・芦原橋)

昨年のWeフォーラム分科会でも公演していただいた「紙芝居劇むすび」
リバティおおさか(大阪人権博物館)の土曜サロンで、おじさんたちの公演があります。

おじさんたちの紙芝居劇が伝える「人生を楽しむ力」。むすび公演を見る機会のなかった方、ぜひおはこびください!私も行く予定です。

会場となるリバティおおさか(大阪人権博物館)について、大阪市長が8月(!?)に補助金を打ち切る方針を出しており、展示資料だけでなく、「証言の部屋」の聞き取り資料などはどうなるのやろうと気になる。こないだ読んだ『無縁声声』の平井正治さんの証言もあるそうなので、どうにかならないうちに聞いておきたい。
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リバティおおさか 土曜サロン
 子どもも大人も楽しむことのできるイベント、お気軽にご参加ください。

紙芝居劇むすび

日時:2012年519日(土)午後2時〜3時
会場:リバティホール(リバティおおさか内) アクセス
参加費:無料
※当日は国際博物館の日(5月18日)関連企画として入館無料
Genre : 日記 日記

無縁声声―日本資本主義残酷史(平井正治)

無縁声声―日本資本主義残酷史無縁声声―日本資本主義残酷史
(1997/04)
平井正治

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1927年、昭和2年うまれの平井正治さんが語った「日本資本主義残酷史」。平井さんは、釜ヶ崎に50年住んで、昨年亡くなった。日雇いで働き、夜は史資料をよみ、休みの日には神社や寺などまちを歩き、話をきいたという。「一言多いやなしに黙ってられん」(p.348)と、ここまで来たという平井さんは釜ヶ崎で労働運動をやってきた。

▼今でも、今のいろんな運動体見てても同んなじです。日本の左翼というのは、みな調子がええけど、いざ戦争になると、下っぱだけがみな取り残される。これは運動にしろ、土木にしろ、港湾にしろ、労働者がみなそうですわ。調子のええ時は、残業残業言うて、奨励金出してやらしといて、景気が悪うなったら下請け下っぱから順番に切っていく。結局、憎まれてるやつが窓際へ追いやられていく。これのくり返しで、もう無計画な経済のね。…

 反発も食らうけど、反発を恐れたらほんまのこと言われへん。ほんまのこと言われへんというのは、やっぱり本物の民主主義やないと思う。どうもいまの世の中、ちょっとした言葉尻に差別や何や言うて、叩きぐせがいまだに抜けてない。これはもう右も左も、保守も革新もないところで、いつまでたっても同じことや。(p.342)

1997年に初版のこの本は、高村薫と稲泉連の寄稿を加えた新版が2010年に出ている。

折れない葦―医療と福祉のはざまで生きる(京都新聞社)

折れない葦―医療と福祉のはざまで生きる折れない葦
―医療と福祉のはざまで生きる

(2007/03)
京都新聞社

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『異質の光』といっしょに借りてきた本。京都新聞で、2006年に連載された「折れない葦」をまとめたもの。4月に「尊厳死ってなんやねん?!」の勉強会で、桑山さんの話と、京都新聞の記者さんの報告があった。たぶんその記者さんもこの連載の取材班の一員。桑山さんも、この本の中に出てきた。

京都新聞の地元である京都や滋賀で、病や障害と向き合って生きる人たちを取材してきた言葉には、はっとするものがいくつもあった。

〈患者は思いやられる側でしかないというのは間違いで、家族全体を思いやる責務が私にある〉(p.14)──人工呼吸器の装着を拒否し、苦労しながらも工夫して一人暮らしをしている谷岡さんはALSを発症。手伝おうとする記者に〈こうやって苦労しているのも現状なので、見守って下さい〉(p.13)

「余命がどうとか分かりません。ただ普通の子と同じように、一日を楽しく過ごしてほしい」(p.63)──小児がんと闘う梨帆ちゃんのおかあさん。

「何のための福祉相談でしょうか。息子のように自分のことを上手に話せない人もいるのです」(p.115)──栄養失調で入院した病院で受けた生活保護を、仕事もないまま退院によって機械的に打ち切られ、餓死した男性の母が、市の責任を求めて提訴した裁判で語ったことば。

異質の光―糸賀一雄の魂と思想(高谷清)

異質の光―糸賀一雄の魂と思想異質の光―糸賀一雄の魂と思想
(2005/04)
高谷清

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島田療育園の小林提樹さんのことを書いた『愛することからはじめよう』の巻末に、本の広告がのっているなかに、『異質の光』があった。糸賀さん本人の古い本は去年読んでいたが、こんな評伝もあるのかと、図書館で借りてくる。残念ながら近所の図書館には所蔵がなく、これもヨソからの相貸。

昨年読んだ『この子らを世の光に』は、近江学園の設立経緯やそのココロを主に書いたものだったが、この本は「糸賀一雄の魂と思想」とあるように、糸賀さんという人の生いたちから書かれていて、その点では『愛することからはじめよう』に似たつくりの本だった。

▼糸賀は、青年時代の「自由を抑圧する時代」とそれに抗する「国民の社会運動」を経験した。洗礼をうけた「キリスト教」から影響をうけ、大学時代に探究した「宗教哲学」から学び、近江学園で明らかにしてきた「発達保障」を深めた。
 そして、障害のある人たちの生きる場を求め、「自己実現」に新たなる意味を見出し、「この子らを世の光に」という思想に到達するのである。(p.3)

糸賀が書き上げた「近江学園趣意書」には、こうあるという。
▼「助けるとか、救うとか人ごとのように申しますが、みな私達社会の人お互い自分のためではないでしょうか。私達はこうした念願から近江学園設立へと起上がったのであります」(p.130)

その近江学園から最初に独立した施設の名は「落穂寮」とつけられた。当初はよい名前だと思ってその寮の名をつけた自分の内面を、のちに糸賀は忸怩たる思いでふりかえる。──そこには、「この子たちを拾い上げてやらねばならない、無自覚な彼らが安心して生涯を遊び暮せるようにすること以外に解決の方法はないと信じ込み」(p.219)、「この子らに」「世の光を」与える場をつくろうとしていたのだと。そうした、恵みを与えるとか温情をかけるという考え方から脱却していきたいのだと、糸賀は「この子らを世の光に」という決意を、この子らと暮らしてきた実感をこめて語ったという。

重症児者の防災ハンドブック―3.11を生きぬいた重い障がいのある子どもたち(田中総一郎・菅井裕行・武山裕一 編著)

重症児者の防災ハンドブック―3.11を生きぬいた重い障がいのある子どもたち重症児者の防災ハンドブック
3.11を生きぬいた
重い障がいのある子どもたち

(2012/03/23)
田中総一郎・菅井裕行・武山裕一 編著

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昨年の大震災を生きぬいた重症児者の支援経験をもとに、宮城で編まれた本。第1部は、3.11以降の現場の記録、支援の記録で、第2部は、災害の備えとして「重症児者の防災マニュアル」となっている。『We』177号でお話をきいた下郡山和子さんの「仙台つどいの家」も執筆に加わっているほか、重心ラーの会でお名前を聞いている方もある。

印象に残った話の一つは、ふだんは支援する側にいる人が、支援をうける側になったときの戸惑い。
▼さまざまなボランティアに入ってもらうことに、最初は私自身も抵抗感がありました。普段、自分たちの仕事を「支援」と言い、何か困っている利用者さんがいれば「さまざまなサービスを使っていった方がいいですよ〜」なんて薦めたりしているわりに、いざ自分が支援される立場になってみると、「もっと大変な状況の施設もあるはず、このくらいの被害状況、もっと自分たちで何とかできるんじゃないか、甘えじゃないのか、施設のスタッフも体制を調整してきてくれているのに…」と悩みました。けれども、助けてもらえる時にはちゃんと助けてもらえることも大切だ、と、今は自分たちは、支援される側なのだと考えなおしました。(p.120、「仙台つどいの家でおこったこと」)

開けてドッキリ!studio COOCA展(〜5/13@あしたの箱)

夜のむすび研究会のあつまりの前に、釜ヶ崎からぶらぶらと歩いて、ギャラリー「あしたの箱」へ。

先月もやはりむすび研究会の前に、ここであった「箱展〜どんな箱とたずねられても困るのです〜」を見たくて訪ねたのだが、ウッカリしたことには、その日は休廊で(DMを持っていきながら、門前で「CLOSE」の字を見るまで全く気づかず)、残念ながら「箱展」は見のがしてしまった。

それで、「開けてドッキリ!studio COOCA展」は"会期中無休"をよくよく確かめてゆく。

開けてドッキリ!studio COOCA展

DMを見ただけでも、おもしろそう!!!と思っていたが、行ってみると、作品はどれも思っていた以上によかった。作品そのものの力もあるが、作品の見せ方がまたいい。様々なグッズのセンスもすごくよくて、平塚のstudio COOCAへ行ってみたくなったし、またどこかで作品展があれば見たい!!!
Genre : 日記 日記

サラの鍵(タチアナ・ド ロネ)

サラの鍵サラの鍵
(2010/05)
タチアナ・ド ロネ

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映画にもなっているらしいが(私は見ていない)、小説があるというので図書館でしばらく待って借りてきた。少しだけサワリを読んで、移動の際のお供にするつもりが、結局イッキ読みしてしまう。読んだあと、サラのこと、ジュリアのことで頭がいっぱいになって、なかなか寝付けなかった。

1942年7月、ナチ支配下にあったフランスのパリで、フランス警察の手によって大規模なユダヤ人狩りが行われたという、いわゆる「ヴェルディヴ事件」の史実をもとに、この小説は書かれている。このとき4000人もの子どもが親とともに連行され、アウシュヴィッツ収容所へ送りこまれた。帰ることのできた生存者はごくわずか。

5〜6月のいろいろ

このあと5〜6月のいろいろ。行くつもりにしてるやつです。

「ユニバーサル・ミュージアムの可能性 〜さわって楽しむ図書館、博物館をめざして〜」(5/12、東大阪・大阪府立図書館)…5/2〜5/13のあいだ「さわっておどろく!〜触覚がひらく絵画、読書の世界〜」という関連展示もやってます。

紙芝居劇むすびの公演@リバティおおさか(5/19、大阪・芦原橋)…この日は入館料タダ。リバティでは「沖縄復帰40年-1972年5月15日・沖縄」という企画展をやっています。

記録映画「もういいかい〜ハンセン病と三つの法律」の上映会(5/20、大阪・阿倍野)…4月の尼崎の上映会へ行きました(行けたらもう一度みたい)

映画「チョコラ!」上映&ケニア現地レポート(5/26、大阪・玉造)

ワークショップ:学校教育と性的少数者 第2弾 〜学校で生き抜く工夫、支える工夫〜(6/9、大阪・芦原橋=リバティおおさか)…小学生向けDVD教材「いろんな性別」&制作したCチーム企画のサイトにあるフラッシュ動画がおすすめです
Genre : 日記 日記

メディアをつくる―「小さな声」を伝えるために(白石草)

メディアをつくる―「小さな声」を伝えるためにメディアをつくる
―「小さな声」を伝えるために

(2011/11/09)
白石 草

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"ネットにしかほんまの情報はない"というのをこの1年とりわけよく聞いた気がする。半分はそういうとこもあるなと思うけど、半分はちゃうなと思う。たとえばネットは"誰でもどこでもアクセスできる"と言われたりするが、そんなことはおまへんでーと、私はネットを使わない(使えない)あの人やこの人の顔を思い浮かべる。誹謗中傷やサベツ的な言辞のひどさでは、紙や電波以上ではないかと思うことも多い。

白石さんは、ネット放送局・アワプラ(OurPlanet-TV)の人。アワプラは「従来のマスメディアでは放送されにくい、市民の視点に立った情報を収集し、映像を媒体としてインターネットやそのほかできうる方法で発信することを目的とする」(定款)NPOである。

ことしの桜

ことしの桜
1ヶ月ほど前は、えらい寒かった。桜の開花もいつもより遅かった。
Genre : 日記 日記
 
 
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乱読ぴょん(冠野 文)

Author:乱読ぴょん(冠野 文)
隔月刊誌『We』で、1999年より本ネタ「乱読大魔王日記」を連載。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年より「頭のフタを開けたりしめたり」という連載もしています(こちらも本ネタ)。

本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』もつくっています(これは不定期発行で、現在77号)。

2009年春より『We』を発行するフェミックスのスタッフとなり、『We』の編集と校正、ホームページやブログの管理、web通販の担当、その他ヨソから受けた原稿執筆や編集などいろんな仕事をしています。

このブログは、冠野の個人的なページです。


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